
今回で10回目を迎える”キビるフェス2026”。
今年は2025年12月から2026年1月にかけて今年は総勢6つの団体の作品をご覧いただけます。
彩り豊かな6団体のことを是非もっといろんな方に知ってもらいたい!!ということでスタートしました\\キビるフェス2026 紹介コラム//!!
福岡ゆかりにゆかりのあるアノ人やコノ人に、団体のあれこれ語って頂きました。
知らない人はもちろん知ってるよ~という方も!新たな魅力を発掘できるかも。
トップバッターは、、、、
俳優・劇作家・演出家・ミュージシャン・映画監督、と幅広く東京を拠点に活動されている菊沢将憲さん。
かつては「空間再生事業 劇団GIGA」の主宰で、役者・劇作家・演出家として活動されていたとても魅力的な方です。
紹介していただく団体は『バストリオ』。
バストリオとの出会いから今回の公演のことまで、なんだか素敵な関係性が垣間見れる紹介コラムになっています。
早速、、、どうぞ~!!
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バストリオとの出会いは2012年。福岡から東京に出てきて1年ちょっとぐらいのとき。
出演者募集のサイトでバストリオが出演する空気公団LIVE「夜はそのまなざしの先に流れる」の出演者募集オーディションを見つけて応募したのがはじまりでした。
北千住の駅から歩いて会場に向かう途中、たぶん橋本さん(その時はまだ誰か知らない)と会って「すぐそこですよ」とたどり着いたのは大きな一軒家でした。玄関を入って二階に上ると広いリビングでそこに今野さんがいました。会った瞬間、会ったことがある気がすると思いましたが実際には初めてです。
オーディションでしたが特に何か演技などするでもなく、雑談して、スケジュールを伝えて、「なんか一緒にやりそうやな」という確信だけ持って帰りました。
そのLIVEは7月5日本番で、自分は直前の7月1日まで康本雅子さんのダンス公演の本番が入っており、常識で考えたら出演は無理なのですが、そういう常識は軽く跳び越えて出演が決まり現在に至ります。ちなみにその時、一緒にオーディションに受かったのが今もバストリオの重要なメンバーとして活躍する黒木麻衣さんです。
そこから13年、様々な活動を共にしてきました。といってもいつもべったり一緒にいるわけではなく、1年くらい遠くから見ている時期があったりもするいい距離感です。
初期の頃は家も近かったので会うとお茶しながら8時間くらい平気で語り合ったりもしていました。自分がMacを買って映画の編集をはじめたのもその8時間お茶会で今野さんから「自分で編集してないのに監督とは言えないですよね」と言われたのがきっかけです。
それで奮起してわざわざ銀座のアップルストアにMacを買いに行きました。それがなかったら監督作「おーい、大石」も生まれていませんし、ぴあフィルムフェスティバルでの入選もありませんでした。
今野さん、橋本さんに出演してもらった「二羽の鳥、徹夜祭。」「凹/eau」なども映画祭などで高く評価された自分にとって重要な監督作です。今野さんの映画にも数多く出演させてもらっていて、「グッドバイ」はポレポレ東中野で公開されました。コロナ禍で活動自粛の中、自分の弾き語り配信ライブ「あなただけにうたう歌」を監督してくれたのも今野さんでした。
今野さんとは初めて会った時に初めて会った気がしなかったくらい近しい部分があると同時に絶対に交わりえない遠く遠く離れた部分も同時に存在していて、だからこそ一緒に何かをやったときに磁石の引き合うエネルギーと反発し合うエネルギーが同時に発生して強力な化学反応が起こるのだと感じています。
福岡では「空間再生事業 劇団GIGA」という劇団で主宰をしていた時期もあったので、外に出ても自分の現在地を確認できる場があったのですが、東京ではどこにも所属していないフリーの俳優なのでそういう場はありません。その中で唯一、今野さん、橋本さんたちとの関係がそうなのかも知れません。
現在は不定期ですが「バストリオの間」というYouTubeラジオを3人で配信していて、そこでかつての8時間お茶会のような感じで語り合っています。
今回、キビるフェスで上演される「黒と白と幽霊たち」(菊沢は声で出演)はバストリオが毎年上演している演目で、2018年に上演されたあざみひら演劇祭バージョンに自分は出演しています。
里山の中のだだっ広い畑で真っ赤に日焼けしながら、背景にある山の中腹まで走って行って発煙筒を焚いためっちゃハードなバージョンで、雨の中泥まみれで駆けずり回って跳ねて叫んで、お天気もふくめたくさんの奇跡を体験しました。
そうした様々な土地、様々な人と出会いながら練り上げられたバストリオと松本一哉さんによる最強の演目です。観ないという選択はありません。
この文章を読んで、スケジュールを見て、公演の日が空いていたら、これはもう運命ですので観ましょう。
バストリオがずっとやってきたことのすべてが凝縮されています。誰にでも出来そうで誰にも真似できないバストリオの手法は必ず九州で表現しているみなさんの刺激になると思いますし、日々を生きるすべての人の心と体に響きまくるはずです。
約束です。必ず観て下さい。
菊沢将憲
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菊沢将憲
俳優・劇作家・演出家・ミュージシャン・映画監督
北九州市門司出身。高校時代より音楽を始め、博多のライブハウス「照和」でレギュラー出演。1995年「空間再生事業 劇団GIGA」に入団し、2000年より主宰となる。役者・劇作家・演出家として活動、韓国での公演も重ねる。 2003年に主演映画「815」がバンクーバー国際映画祭にて審査員特別賞を受賞。2005年には出演した舞台「悪魔を呼び出す遍歴学生」が利賀演出家コンクールにて優秀演出家賞を受賞。
現在はフリーの俳優として野田秀樹・西田シャトナー・小野寺修二・ノゾエ征爾・江本純子・長谷川寧・河瀬直美・西川美和などの作品に出演。 コンテンポラリーダンスの世界でも黒田育世・矢内原美邦・康本雅子の作品に出演。2016年、アヴィニョン演劇祭で初演されたアンジェリカ・リデル演出作「¿ Qué haré yo con esta espada ?」に出演し活動の場を世界に広げる。また、監督した映画 「おーい、大石」が、ぴあフィルムフェスティバル/ PFFアワード2016に入選し、審査員だったRADWIMPSの野田洋次郎氏や荻上直子監督より絶賛された。映画出演作として「わたしたちの家」(清原惟監督)、「グッドバイ」(今野裕一郎監督)、「真っ赤な星」(井樫彩監督)、「大仏廻国」(横川寛人監督)など多数。
◆公式サイト ▷ http://masanorikikuzawa.strikingly.com/
◆X ▷ https://x.com/renonremon?s=21&t=gzF_Km8DAU2hsgU9aD-9vA
【出演作情報】
◆2025年11月29日15時開演 TOKYO FORWARD 2025 文化プログラム
ろう者と聴者が遭遇する舞台作品「黙るな 動け 呼吸しろ」▷ https://duk-tokyoforward2025.jp/
◆出演映画「フクイラプトル」クラファン中!▷ https://ubgoe.com/projects/989
◆実行委員として参加「中央線芸術祭2025」開催中!▷https://claft.jp/
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◆YouTubeラジオ配信「バストリオの間」
https://www.youtube.com/live/_5-jCUU1bbg?feature=shared
バストリオYouTubeチャンネルは登録者数1000人目指して激走中! いいね、チャンネル登録をよろしくお願いします。
◆空気公団「夜はそのまなざしの先に流れる」
https://youtu.be/aHMsjhZrel8?feature=shared
◆「二羽の鳥、徹夜祭。」予告編
https://youtu.be/7WyppppBb-8?feature=shared
◆「凹/eau」予告編
https://youtu.be/jjoPDqe0DQA?feature=shared
◆「グッドバイ」予告編
https://youtu.be/olkaRJvTXFs?feature=shared
菊沢将憲+今野裕一郎『あなただけにうたう歌』
https://youtu.be/iLmqBVskdIY?feature=shared
◆「黒と白と幽霊たち」あざみひら演劇祭バージョン公演映像