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特定非営利活動法人アートマネージメントセンター福岡

AMCF MAGAZINE

vol.
746

”体験型演劇公演” 有☆タカプレゼンツ 『ルーーープ!』座談会

レポート

7月24日(木)・25日(金)、北九州市にある西門司市民センターで有☆タカプレゼンツによる体験型演劇公演 『ルーーープ!』が開催されました。

両日共に早々に受付は終了し、この企画をの始まりを見届けたい大人たちや夏休みがスタートしたばかりの子供たちが沢山集まり、賑やかで楽しい2日間になったようです。

子どもたちに本気で楽しんでもらえるような作品をいろいろな地域に届けよう!という想いからスタートしたというこの公演は、中長期的なプロジェクトとして、今後も定期的に公演を行うほか、小学校等への巡回公演も検討されているのだとか。

今回は、そんな素敵なプロジェクトを立ち上げ創り上げた、4人の皆さんに企画のはじまりや創作についてのあれこれ、今後のことについてなど 自由に語っていただきました。

早速どうぞ~!!

藤本瑞樹氏(以下、藤本) 公演お疲れさまでした。
有門正太郎氏(以下、有門) お疲れさまでしたー。
今村貴子氏(以下、今村) 子どもたちすごかったですね。
有門 すごかったね〜。
北村功治氏(以下、北村) 想定を遥かに上回る子どもたちに見てもらえてよかったね。
藤本 やってよかったなという形になりましたね。
有門 最初からこんなに反響もらえたら、今後の活動にも弾みがつくね。
藤本 そうそう、終わった直後でなんなんですが、『ルーーープ!』の今後のことについてお話しできたらと思ってるんですよ。
今村 いやー、これまだまだやりたいですよね。
有門 今回限りで終わるのは絶対もったいないわ。せっかく台詞も覚えたのに。
藤本 それよく言ってますよね(笑)。
有門 いっつも思うもん(笑)。
北村 まあ、これはもともと中長期的にやっていきましょうという話から始まってるからね。
今村 そうですね。

『ゆくゆくは学校公演とかできるといいねみたいな話になって。(有門)』 

藤本 もともとこれっていつ何から始まったんでしたっけ。
有門 もともとは、俺もイマタカ(今村)もいろんなところからお誘いいただいて、子どもといっしょに作品を作ったり、ワークショップをやったりする立場になったから、自分たちで子ども向けの作品を作りたいねっていう話をしてて、……その話って結構前からしてたんだけど。
今村 それで、そういう話をkitayaさん(北村と藤本の会社)とも雑談的な感じでしてたら、それいいねみたいな話になって。
北村 うちも会社つくってもう10年以上経ったし、数年前から仕事を請け負うだけでは先がないな、頭打ちだなって感じるようになってて、これからは自分たちみたいな民間の会社も仕事や雇用をつくって地域の舞台芸術関係者にきちんとお金を回さないといけないと思ってたところだったからね。
有門 それでゆくゆくは学校公演とかできるといいねみたいな話になって。
今村 学校公演っていう話が出てから急にうちらも乗り気になって、乗り気っていうか、「絶対やりましょう」みたいな感じになって。
藤本 っていう話をしたのが……
北村 去年の秋くらい? そのくらいに、ふたりとも少しずつ具体的な話を始めて。
有門 で、助成金にもトライしたりしたんだけど。
北村 今回、福岡県教育文化奨学財団さんに採択していただけたけど、何件も出してようやく1件という感じで。
今村 やっぱ実績ないと難しいんですかね。
北村 一応アルモン(有門)もイマタカも、あとうちも、それぞれに実績はあるんだけどね。

藤本 今回はアルモンさんの有門正太郎プレゼンツと、イマタカのイマ☆タカ Dance Family Selectionとkitaya505の3団体で実行委員会を立ち上げて、その実行委員会としての公演なんですよね。
有門 去年の10月に立ち上げたばかりだから、実績がなかったんよね。
北村 今回が初。
藤本 とりあえずまず公演やってみて、実績をつくってからじゃないと次の展開は難しいんだろうなあみたいな話をしましたね。

『西門司市民センターさんが校区内の小学校や学童さんにお声かけくださって。夏休みの子どもたちがわっと押し寄せてくれたという。(藤本)』

北村 そんなところに、西門司市民センターさんをアルモンがつないでくれて。今回の公演に至ったと。
藤本 市民センターで、翌年度の催事を早いタイミングから決めていただけたっていうのが本当にびっくりしました。
有門 窓口になってくれた山内さん(担当の職員さん)と館長さんがほんとにいい人なのよ。
今村 有門さんが西門司市民センターでワークショップをやられたことがあるっていうのが大きかったですね。
有門 私がワークショップをやったことがある施設のみなさん、次は公演です!ご依頼待ってます(笑)。
北村 でもおかげさまで、ほんとに我々が最初に想定してた以上のスタートができたよね。
藤本 西門司市民センターさんが校区内の小学校や学童さんにお声かけくださって。夏休みの子どもたちがわっと押し寄せてくれたという。
有門 こういうのほんとありがたいよね。
今村 ね。やっぱり見てもらってなんぼみたいなところがありますからね。
北村 「これがやりたかったのよ」というのが、初っ端からできたって感じだね。
藤本 そうですね。
有門 俺も今日やりながら思ったもん。「ああー、いいことやってんな俺」って(笑)。
今村 わかりますそれ(笑)。自分で言うことじゃないんでしょうけど。
北村 僕も思ったよ。
藤本 みんな思ってた(笑)。
北村 でもこれはほんと、西門司市民センターさんが地域のための活動をずっと続けられてて、今回の公演は「生涯学習市民講座」っていう形で扱ってくださって、そういうご協力がいただけたからっていうのは当然あるんだけど。
有門 ね。いいところなのよ西門司市民センター。
今村 でもそれほんと思いました。
北村 僕たちが見えてないだけで、いろんな地域でこういう想いをもった方々が、地域のために取り組んでくれてるっていうのが、いっぱいあるんだろうね。
藤本 で、そういうところに行きたいっていうのが、今回公演終わって、なんというかめちゃくちゃ実感に変わるというか。
有門 確信みたいになったよね。
今村 ですね。
北村 だからこそ、今回だけで絶対終わらせちゃダメだよね。
有門 せっかく台詞も覚えたしね。
今村 また言ってる(笑)。でも私もこんなにがっつりと役者やるっていうのがほんとひさしぶりで、「台詞覚えってどうやってたっけ?」っていうレベルからだったから、台詞忘れないうちに次やりたいです(笑)。
藤本 切実(笑)。
有門 ご興味のある方、ぜひ呼んでください! 我々が台詞忘れないうちに。

『収入のことを考えるのも大事なんだよね。(北村)』

北村 今回それで、クラウドファンディングをしてるんだよね。
藤本 中長期的に活動を続けていきたいので、ぜひ応援してくださいということで。
北村 ありがたいことに、いろんな方からご支援いただいて。遠方の我々の同業者仲間からもご支援いただいたりして。
今村 わ〜ありがたいですね。
北村 子どもたちにできるだけ安価に舞台芸術に触れてほしいっていうのがあって、今回は無料公演にしたんだけど、やっぱりどうしても公演をやるとお金ってかかってくるし、もともとうちも「出演者やスタッフに対価を払う仕事を増やしたい」っていうのがあったからね。どうしても収入のことを考えるのも大事なんだよね。
藤本 そのへんのバランスが難しいですよね。
有門 やっぱり企画の立ち上げってどうしてもお金がいちばんかかるからね。
今村 時間もかかりますしね。
北村 そういうところを、うちはもう手弁当でやりますけど、足りないところをすみませんが応援いただけませんかっていうことで、クラウドファンディング始めたんだよね。
藤本 これ期間がお盆明けくらいまででしたっけ。
北村 そうだね。
有門 今回は、資金面や会計周りをkitayaさんが全面バックアップしてくれて助かってるんだけど……kitayaは赤字でしょ?(笑)
藤本 事業単体で見るとそうですね。
北村 まあでもそこは当たり前というか、そのへんは腕の見せ所でもあるので。
今村 いやいやいや。
北村 最初にいちばんお金がかかるっていうのはわかってたし、そこは誰かがなんとかしないと、物事が動かないからね。
藤本 うちが関わる意味って、そういう部分を担うところにあるんだろうなあと。

『ほんと今日やってよかったなと思えたので、これは今後もきちんと続けていきたいですね。(今村)』

有門 今後も続けていったら、kitayaさんはどうにかなるの?
北村 まあうちは初期投資が戻ってくればうれしいけど、そこがメインじゃないからねえ。
藤本 出演者やスタッフのみなさんに適切なお金を払いながら、いろんな地域でいろんな子どもたちに作品を見てもらう、っていうのを「息切れせずに続ける」ことが目標なので。
今村 なるほど。
北村 無料で上演できますよってわけではないけど、たとえば小学校なんかでも、限られた予算の中でこういうことならできますよとか、こういう補助金がありますよみたいな相談には乗れると思うので、そういうのも含めて、興味のある小学校さんはぜひご連絡いただきたいですね。
藤本 あと、学校公演ではないけど、劇場空間でもやりたいですね。
有門 フルスペック版でね。
今村 ダンスも増やして。
有門 いいねえ。
北村 アルモンいける?

有門 俺ダンスないのよ(笑)。
北村 そうか。
今村 有門さんのダンスもつくりますよ!(笑)
有門 いいよいいよ、演出で大変だから。
藤本 そういう、アルモンさんも踊る劇場バージョンをやりたいですね。
有門 踊らないよ(笑)。
今村 市民センターでもまたやりたいですね。
北村 子どもはもちろんだけど、親子でお芝居を見に行くっていう体験ができる機会をたくさんつくりたいね。
藤本 そのためにも、ぜひご支援いただきたい……!
北村 ほんとは自己資金や収入で自走できるのがベストなんだろうけどね。
藤本 そのあたりは心苦しい気持ちもありますが……。
有門 みなさまからいただいたご支援で、子どもたちにいい作品届けますんで。
今村 私も話がもっと戻るんですけど、ほんと今日やってよかったなと思えたので、これは今後もきちんと続けていきたいですね。
北村 今後も末長く愛されるような作品、公演にしていきましょう。

 

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これからの展開も楽しみですね!!

有☆タカプレゼンツ 『ルーーープ!』は現在クラウドファンディングを実施中です。
応援したいな、という方は是非♪
返礼品もとってもユニークなので、ちらりと覗かれてみてはいかがでしょうか??

有☆タカプレゼンツクラウドファンディング

profile

有☆タカプレゼンツ

「有門正太郎プレゼンツ」代表の有門正太郎、ダンスカンパニー「イマ☆タカDance Family Selection」代表の今村貴子、舞台芸術の制作を行っている「合同会社kitaya505」が手掛けるプロジェクト。 子どもたちに本気で楽しんでもらえるような作品を色々な地域に届けます。